膀胱瘻と上手に付き合うには ![]()
| 1.膀胱瘻(Vesical Fistula)とは |
| 膀胱の排尿機能に関与している部分が障害を受け、膀胱が正常な機能を維持できなくなった場合、尿道を通さず排尿を可能にする尿路変更術を行います。腹壁を通して膀胱内に直接カテーテルを挿入して排尿する方法を「膀胱瘻」と言い、病巣が治ったあとで元に戻す「一時的膀胱瘻」と「永久膀胱瘻」とがあります。 腹壁から膀胱まで3〜4pしかないことから、尿道からカテーテルを入れる方法よりも感染の恐れが小さくなり、清潔を保ちやすい方法と言われています。 |
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| (図-1)膀胱・直腸・前立腺の位置 | (図-2)膀胱及び腎臓断面図 | (図-3)膀胱内にカテーテル挿入図 |
| 2.尿路変更術のいろいろ |
| 腎臓は血液の中に溜まった老廃物を尿として排泄する働きを担っており、大変複雑な仕組みによってこれらが行われています。上図のように脊椎をはさんだ腰のあたりの両側に左右一つずつあり、にぎりこぶし程度の大きさでそら豆のような形をしています。 腎臓には一分間に一リットル程度の血液が心臓から送られ(心臓から全身に送られる血液の量は、一分間に4〜5リットルですから、全体の1/5〜1/4が腎臓に来ることになります)腎臓内の濾過装置(糸球体)で濾過され、体にとって不要な物質のみが原尿の100分の1程度に濃縮されて尿として排泄されます。 冒頭で述べましたようないろんな要因で正常な膀胱機能や排尿の営みが正常に機能できなくなった場合、尿道を通さず強制的に排尿を行う手術を行います。 強制的な排尿術の方法を大別すると下記のようになります。
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(1)膀胱瘻(Cystostomy)
(図-4) |
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(2)腎盂瘻(Nephrostomy / Pyelostomy)
(図−5) |
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(3)尿管皮膚瘻(Uretero-Cautaneo-Stomy)
(図−6) |
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(4)回腸導管(Ileal Conduit)
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(5)導尿型人工膀胱造設術
(図−8) |
| 3.膀胱瘻造設術について |
| 以下私が受けた造設術を元に経験談として説明します。(詳細をお知りになりたい方は主治医もしくは病院の泌尿器科にご相談下さい) 局所麻酔で恥骨上部から膀胱に特殊カテーテル(先が針状になったもの)を挿入します。膀胱の正しい位置にカテーテルを挿入する為に、レントゲンや超音波を使用しながら、事前に膀胱を膨らませた状態で針を入れます。 内臓への接触や膀胱内の重要血管を傷つけることを避ける為に、相当経験を積んだ医師の手術が必要です。 患者の状態にもよりますが手術の時間はおよそ1〜2時間程度です。 ※下記の写真はいずれも手術後二週間のもので、カテーテルは堅くて長いものが使用されて いますが、その後のカテーテル交換時には柔らかくて短いシリコン製が使用されます。 |
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| カテーテルを恥骨上部より 膀胱へ挿入 (写真−1) |
カテーテルの挿入位置は、恥骨 周辺の転移の関係で正常位置 よりはずれて造設してあります (写真−2) |
| 4.日常生活をより快適に過ごす為のちょっとした工夫 |
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| 5.感染症と予防 |
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| 6.傷口の管理と消毒 |
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| イソジン消毒 (写真−9) |
ガーゼとテープで固定-(1) (写真−10) |
ガーゼとテープで固定-(2) (写真−11) |
| 7.カテーテル管理と尿の観察 |
| 【カテーテル管理のポイント】 手術数日後の最初の検診ではカテーテルの交換は行われませんが、3週間〜1ヶ月後に最初のカテーテルの交換が行われ、その後定期的にカテーテル交換が行われます。 交換のタイミングは病院・主治医の判断によって違いますが、通常3〜4週間毎に交 換します。 以下カテーテル管理のポイントについて述べます。 @造設手術直後に使用するカテーテルには目盛が刻印してあり、主治医が指示した 目盛の位置にカテーテルがあるかどうかをの確認(指定された目盛からずれてい ないかどうか)を常にして下さい。 指示された目盛からずれている場合は、カテーテルが当初挿入した点から抜け出て いることになりますから、速やかに主治医若しくは病院へ連絡するか通院して下さい →最悪の場合は再手術が必要になる場合がありますので、即刻病院へ。 A上記したことを避ける為に、カテーテルにゆとりを持たせ、ループ(曲線)を作って体 の1〜2カ所程度を肌荒れ防止用テープで止めるようにします。 (写真−10〜11参照) Bカテーテルが折れ曲がっていないかどうか、尿がちゃんと流れているかどうか、睡眠 の場合は体の下敷きになっていないかどうか等々の確認を常に行うようにしましょう。 【尿の観察】 @異常を早く察知して治療する為に、日常の体温の観察はもとより特に下記の観察が 重要です。 ・尿がカテーテル内を流れているかどうかの確認 ・尿量 ・浮遊物の有無 ・血液の混入 ・臭い 発熱があり、浮遊物が多く、悪臭がある場合は尿路感染症をおこしている疑いが往々 にしてあります。 異常が有る場合は尿路感染症の疑いもあり、このような場合は速やかに主治医に 診てもらいましょう。 A充分な水分補給や、ビタミン剤、ヨーグルト摂取等は尿路感染を抑制することが知ら れていますので、積極的に摂取するように心がけて下さい。 Bチェックリストの作成 毎日の排尿量をチェックしていると、体の変調が判断しやすくなります。水分補給の 量にもよりますが、通常1,500ccから2,000ccの尿量が感染症防止の観点からも良い とされています。 私のケースでは下記のようなチェックリストを作成し、異常があった際には主治医に このリストで報告するようにしています。
計量カップにお湯を入れて50,100,150,200cc毎にお湯をレッグバッグに注入し、 マジックで目盛を付けておくと便利です。 |
| 8.スキンケアー |
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| 9.水分補給 |
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| 10.蓄尿の方法と実際 |
| カテーテルを通じて排泄される尿をレッグバッグや蓄(採)尿バッグに溜め、随時廃棄します。 (1)装具について 【装具の種類】 ◇採尿袋(Urinal) これらを総称して「ウリナール」と言いますが、英語訳では「小便器、小便所、しび ん」となります。 ◇レッグバッグ 足に小型蓄尿バッグを取り付けて使用するもので、特に行動的に歩き回る時や外出 時に使用します。 下着に縫いつけたレッグバッグ収納袋(写真−3〜6参照)に収納したり、名前の通り 足に付けて使用します。 ◇蓄(採)尿バッグ 特に睡眠時に使用しますが、蓄尿容量が大きい(2,500〜3,000cc)ことから頻繁に尿を 廃棄する必要が無いのが特徴です。 |
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| レッグバッグセット540(Hollister) | インケア・レッグバッグ(Hollister) | レッグバッグセット装着例(Hollister) | |||
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| 蓄尿バッグ(JMS) | 採尿バッグ(パウチ接続用/Alcare) |
| 【Hollister製品カタログ表記の紹介】 ◆インケア・レッグバッグ(減菌) ・容量が大きくなっても目立たない、タック構造。 ・逆流防止弁付きで、感染の問題を軽減します。 ・臭いの心配がない防臭フイルム使用。 ・尿の処理はワンタッチクランプで簡単です。 ・膀胱内留置カテーテルなどにも使用できます。 ◆レッグバッグセットは540ogと900ogとがあります。 ◆単体発売品としてインケアチューブ、インケアストラップ (レッグバッグを足に固定する為のバンド)等があります |
【Alcare製品カタログ表記の紹介】 ◆ユーケアーレッグバッグ ・ストーマ袋と接続することにより、簡便に蓄尿量を増やせま す。 ・足下に蓄尿することで、パウチ粘着部への負担を軽減しま す。 ・肌側の不織布は汗を吸収し、快適な使用感を提供します。 ◆採尿バッグ ・各種パウチに接続することで、夜間等の蓄尿に最適です。 ・逆流防止弁がパウチへの尿の逆流を防止します。 ・当社ウリナリーパウチとワンタッチで接続可能。 |
| 【装具の交換時期】 カテーテルの接合部や蓄尿袋(レッグバッグ、蓄尿バッグ)の中及び接合部や排水口は細菌の進入路となっていますので、長期間の使用は細菌が繁殖しやすい環境になります。また蓄尿袋(レッグバッグ、蓄尿バッグ)には尿の逆流防止弁が付いていますので、長期間使用して尿の塩類等が付着すると詰まってしまい、尿が流れなくなってしまったり尿が逆流して感染症の原因となります。 このことから、私の場合は下記を目安としています。
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| (2)コネクター(接続部)について |
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| (1)カテーテル接合部 | (2)レッグバッグ接合部 | ||
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| (3)蓄尿バッグ接合部 | (4)蓄尿バッグ接合部/ パウチ接続用 |
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| (3)蓄尿と排泄について 膀胱瘻の場合は自然排尿となりますから、ある程度尿が溜まればトイレに捨てるだけで、特別のことをする必要はありません。 下記の点に注意してトラブルが発生しないようにしましょう。
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| 11.入浴について |
入浴はレッグパックを装着したままでしますが、下記の点をポイントにして下さい。
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